29歳で転職は遅いかな…
今の職場で経験を積むだけで、今後もやっていけるのか不安…
一般的に若いほうが転職しやすいと言われ、年齢的に遅いかと思う一方で、これまで積んできた経験に偏りを感じて、このままではマズいと感じている人も多いのではないでしょうか?
この変化の激しい時代の中で、結婚、子育て、親の介護など、将来のことを思うと、今のままで良いか考えてしまうのは当然のことです。
この記事では、どんな人が転職しているのか、29歳の転職で企業から期待されることはなにか、など29歳で転職を検討するために大事なことをまとめました。
この記事を読み終えたらぜひ、自己分析を行い、目的を明確にすることから始めてみてください。
29歳はキャリアを見直し新たなステージへ
29歳で社会人経験も5年以上となり、社内でも中堅層として会社の戦力になっていることと思います。また、中には組織のマネジメントを担う人も出てくる頃です。
会社から頼りにされる反面、同じ業務の継続ばかりで経験の偏りが気になっている人も多いのではないでしょうか?
頼りにされるのは嬉しい限りですが、会社によっては属人化が進み、特定の人に同じ業務を任せざる得ない状況に陥っているケースも散見されます。
経験の偏りを改善するために、転職の道を選択する人は多数います。
ここでは、29歳で転職した人がどんな理由で、なぜ転職したのか解説していきます。
20代後半の転職理由
厚生労働省の調査結果として、20代後半と30代前半の転職理由(個人的理由)について以下のとおりとされています。
順位 | 転職理由 | 20代後半 | 30代前半 | 差 |
1位 | 労働時間・休日・休暇の条件が悪かった | 11.0% | 9.1% | ▲1.9% |
2位 | 給料等収入がよくなかった | 10.6% | 8.3% | ▲2.3% |
3位 | 仕事の内容に興味を持てなかった | 8.8% | 7.0% | ▲1.8% |
4位 | 会社の将来が不安 | 7.8% | 6.8% | ▲1.0% |
5位 | 職場の人間関係がよくなかった | 7.1% | 6.6% | ▲0.5% |
参考:厚生労働省|令和3年雇用動向調査結果の概況(P17 表6抜粋)
この表で、20代後半で割合の高かった上位5つの転職理由の全てが、30代前半では低下していることが分かります。
30代前半の転職理由は10%を超えるような『突出した理由』がなく、転職理由が分散する傾向にあります。
このことから、30代前半では以下のようなことが考えられます。
- 転職市場の変化(20代より求めるスキルが高い)により安易な転職は減少
- 安定性を重視し社内でのキャリアアップを優先
- 長期的なキャリア形成志向で経験を積むことを重視
29歳では、すでに転職した人も多く、その人たちは転職先の企業で腰を据えて経験を積んでいる段階に入っており、29歳転職理由の傾向としては20代後半から30代前半の割合に近づいているものと考えられます。
29歳という年齢は、20代後半から30代前半へ転換する過渡期とも考えられ、30歳以降のキャリア形成を意識して、転職する人が多いです。
男女別の転職理由
以下の表は厚生労働省から発表されている資料をもとに、20代後半と30代前半の性別/転職理由別の割合を示しています。
20代後半と30代前半 性別/転職理由別の割合
転職理由 | 男性 | 女性 | ||
20代後半 | 30代前半 | 20代後半 | 30代前半 | |
労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 7.2% | 9.8% | 14.8% | 8.3% |
給料等、収入が少なかった | 14.8% | 8.2% | 6.3% | 8.4% |
仕事の内容に興味を持てなかった | 10.1% | 10.3% | 7.5% | 3.6% |
会社の将来が不安だった | 9.5% | 8.9% | 6.1% | 4.6% |
職場の人間関係が好ましくなかった | 6.3% | 5.3% | 7.9% | 7.8% |
結婚 | 3.3% | 0.8% | 10.0% | 3.1% |
能力・個性・資格を活かせなかった | 4.7% | 4.0% | 6.2% | 2.4% |
参考:厚生労働省|令和3年雇用動向調査結果の概況(P17 表6抜粋)
性別ごとに20代後半と30代前半の転職理由の変化を確認すると、以下のようなことが考えられます。
【男性の場合】
20代後半・30代前半ともに仕事内容は同じ水準である一方、給料などの収入面を理由とした転職割合が30代前半では低下しており、キャリア志向であることには変わりないが、30代前半では収入より仕事内容へのこだわりが根強いことが言えます。
【女性の場合】
20代後半で労働条件、結婚などライフスタイルを重視した転職理由が多いことに対して、30代前半では分散する傾向にあります。労働条件、結婚を理由とした転職は20代後半までに一巡し、30代前半では安定志向が強くなっているものと考えられます。
以下の表は厚生労働省から発表された婚姻数に関する表です。この表を見ると、20代後半の婚姻数が多いことがわかります。
性別・年代別婚姻数
年代 | 男性 | 女性 | 合計 |
---|---|---|---|
20歳未満 | 3,235 | 5,947 | 9,182 |
20代前半 | 56,932 | 81,233 | 138,165 |
20代後半 | 175,099 | 203,484 | 378,583 |
30代前半 | 119,404 | 110,950 | 230,354 |
30代後半 | 70,175 | 56,652 | 126,827 |
40代前半 | 39,688 | 26,357 | 66,045 |
40代後半 | 24,854 | 16,482 | 41,336 |
50歳以上 | 36,120 | 24,402 | 60,522 |
総数 | 525,507 | 525,507 | 1,051,014 |
参考:厚生労働省|人口動態調査 / 人口動態統計 確定数 保管統計表(報告書非掲載表) 婚姻
婚姻数は2022年に厚生労働省より公開された2020年の婚姻数ですが、29歳が他の年齢層より、ライフスタイルの変わり目となることが多いのは間違いないでしょう。
平均月収について
転職理由でも収入の条件が上位にあがっていましたが、20代後半の平均月収について厚生労働省より示されています。
表の中では、25歳〜29歳の男女平均月収は、月額246,200円とされています。(なお、この金額には残業手当などの月で変動する金額および、賞与は含まれていません)
今の収入に疑問を持っている人は以下の表で確認してみてください。
表では25歳〜29歳の平均給与を示しており、29歳は25歳〜29歳という年齢階級の中では一番上の年齢であることから、平均給与として表の金額より上振れする金額と考えられます。
25〜29歳と30〜34歳の中間くらいの金額を目安とするのが良いでしょう。
引用:厚生労働省|令和3年賃金構造基本統計調査の概況(P7 第2表抜粋)
29歳の転職が多いワケ
29歳では、キャリアの偏りなど現職で課題を抱えている人は、30代で転職のハードルが上がる前の転職を考えることが多くなります。
一方で、企業は29歳の転職者を、一定の社会人経験と実績があり、若手で成長の伸びしろが期待できる人材として、経験値と将来性のバランスがとれた人材と認識されているため、転職市場におけるニーズは非常に高いです。
上記のことから、29歳はこれまでのキャリアを見直して次のステージへ進む時期と言っても過言ではありません。
29歳の応募者に企業が期待していること
29歳の転職希望者を採用しようとする企業は、応募者に対してどんな期待をしているのでしょうか?
29歳は20代では一番経験が長く職務経歴が充実していることから、企業側も経歴を重視しますが、まだ、20代後半としてポテンシャルも含めて評価される年齢です。
ここでは企業が、29歳で転職を希望するあなたに期待していることを解説します。
ポテンシャル
29歳ではキャリア採用がメインターゲットになりますが、ポテンシャルとして成長の可能性を評価される年齢です。
明確な年齢の定義がされているわけではありませんが、まだまだ若手人材として企業側の採用意欲が高い年齢であることに違いありません。
具体的な評価ポイントは多岐に渡り、企業によって重視するポイントも異なりますが、共通して求められるのは「リーダーシップ」や「仕事をやり抜く力」です。
これまでの経験で、該当するスキルを発揮したことを中心に、業務内容、その経験から学んだこと等をまとめると、アピールポイントとすることができます。
ポテンシャルとして評価する主な項目
評価要素 | 項目 | 内容 |
能力 | 資格 | 業務に関連する資格を取得しており、関連して知識を体系立てて理解していること。 |
IT知識 | インターネットやITに関する基礎的な知識を持っていること。 | |
英語力 | 英語が理解できること。(外資系では必須ですが、日本企業でもビジネスのグローバル化が進んでおり、英語力が求められることもありえます。) | |
取組姿勢 | 協調性 | 仕事はチームで協力して進めることが多いため、チームワークを大切すること。相手を尊重し、協力して仕事に取り組むこと。 |
コミュニケーション力 | 自分の意見を適切に伝えたり、相手の意見を理解し、協力して仕事を進めることができること。 | |
リーダーシップ | 協調性、コミュニケーション力に加えて、リーダーシップを発揮できること。 | |
柔軟性 | ビジネス環境の変化が激しいことから、新しい環境に適応し素早く学び、変化に適応すること。 | |
責任感 | 自ら考えて行動し、責任を持って仕事に取り組めること。 |
即戦力としての能力
企業は、5年以上の社会人経験者である29歳の応募者に対して、即戦力として活躍できることを期待しています。
具体的には以下のような評価ポイントがあります。全てのスキルをアピールするよりは、この中で自信持てるところを強調してアピールすると良いでしょう。
即戦力として評価する主な項目
項目 | 内容 |
技術力や専門知識 | 職務に必要な技術力や専門知識を持っていること。業界や職種によっては、特定のスキルや資格が必要。 |
コミュニケーション能力 | 上司や同僚との円滑なコミュニケーション、顧客との対話、プレゼンテーション力など。 |
問題解決能力 | 問題が発生した場合に自分で解決する能力。分析力や判断力、決断力など。 |
プロジェクトマネジメント力 | プロジェクトに関する進捗管理、収支管理、課題・リスク管理、品質管理など。 |
リーダーシップ | チームメンバーのベクトルを合わせて、引っ張っていく力、指導力、チームのマネジメント力など。 |
29歳では、個人としてだけでなく、組織への貢献意識として自社のビジョンや目標に向かって活動できることも期待しており、組織やプロジェクトを率いるマネジメント経験があると有利です。
自己管理能力
29歳では仕事の中核メンバーになっている人が多くなり、仕事の重要度も高まってくるため、自己管理能力がとても重要です。
関わりを持つ仕事が増え、関係者が多くなるにつれて、以下の理由から自己管理能力の重要性が高くなります。
- 一定の業務経験があるため、自己責任で業務を遂行する必要がある。
- 組織変更などで、仕事のスタイルや働き方が変わる場合もあり、そのようなときに効率的な時間の使い方、目標管理を行う必要がある。
- 多くのプロジェクトや、自らのタスクを抱える状態の中では、プロジェクトの進捗状況や優先順位を把握し、適切な行動を選択する必要がある。
- 関わっている仕事の関係者が多い場合、自分自身の時間やスケジュールを把握し、関係者との間で的確な対応を行う必要がある。
先述の通り、29歳ではチームやプロジェクトのリーダーになる人が増え、これまで自分自身の管理ができていれば良かった人が、徐々にチームやプロジェクト全体のマネジメントを求められ始める時期です。
必須要件ではないものの、マネジメント経験がありアピールポイントにすることができれば、とても有利に転職活動を進めることができます。
29歳で転職を考えるメリットとデメリット
これまで、29歳の転職は、転職のハードルが高くなる30歳になるのを目前にして、経験の偏りを始めとした、現職の環境では実現できないことを達成するために、行動する人が多いことを解説してきました。
転職を考えるとき、現職で抱える課題だけに気を取られがちです。
ここでは29歳で転職を考えるメリットとデメリットについて解説していきます。転職活動を進めるにあたって、他にも考慮すべき点がないか確認してください。
29歳で転職を考えるメリット
ここでは、29歳で転職するメリットについて解説します。
転職は慎重な検討が必要ですが、キャリアアップやライフプランに合わせ、より良い将来を実現するための有力な選択肢と言えます。
29歳の転職希望者は、転職市場において「業務経験」と「伸びしろ」を併せ持つ人材として企業の採用ニーズが高く、有利な条件で転職できる可能性が高いです。
メリットの内容を踏まえ、転職活動で必要となる自己PR作成の参考にしてください。
キャリアアップのチャンスがある
29歳は、28歳よりもマネジメント、リーダー、スペシャリストが多くなっている分、総じて企業の期待値は高いです。
プレッシャーに感じる人がいるかもしれませんが、その分、期待に応えられると、より高いポジション、給与アップ、スキルアップが期待できます。
将来的なキャリアアップにつながる可能性として、以下のようなことが挙げられます。
項目 | 期待できる内容 |
新しい経験とスキルの習得 | 業界や職種に関する新しい知識やスキルを習得することで、より広範なスキルセットを持つことができ、自身の市場価値を高めることが期待できます。 |
人脈の広がり | 転職により、仕事仲間、転職先の顧客など、新しい人々と出会うきっかけができます。ビジネス上のコネクションが広がり、将来のビジネスチャンスやキャリアの進展につながる可能性があります。 |
新しい挑戦と成長の機会 | プロジェクト責任者、管理職のポジションなど新しいチャレンジが期待でき、このような経験が自身の成長の機会となり、スキルや経験をより高いレベルに発展させることができます。 |
少なからず、職場を変えることはリスクが伴うため、リスクをとっても実現したいこと(=あなた自身の意思)を明確にすることが大事です。
給与が上がる可能性がある
以下の表のとおり、20代後半の年齢階級(=年齢層)別の転職による給与増減の割合について厚生労働省より示されています。
給与の増減が、転職の成否を判断するものではありませんが、25歳〜29歳の年齢層では、増加した人が46.2%、減少した人が33.0%となっており、減少した人より増加した人が多いことがわかります。
また、一つ上の30〜34歳の年齢層でも、給与が増加した人の割合はさらに増えています。給与を上げることを目的としている人は、転職活動を行うにあたって、入念な準備、転職先の選定を行うことにより、目的を達成するのは不可能なことではありません。
引用:厚生労働省|令和2年転職者実態調査の概況(P18 表13抜粋)
異業種(未経験)への転職も可能
通常、29歳の中途採用では即戦力として、業界での経験年数やスキルレベルが問われますが、まだ未経験の業種・職種への転職も可能です。
30代を見据えたキャリア形成を目的とした未経験領域への転職であれば成功の可能性はあります。
以下のようなスキルを活かした経験があれば、業界に関係なく必要とされるスキルですので、アピールポイントにすると効果的です。
- 組織マネジメント
- プロジェクト管理
- データ分析
- 新規アイデアの発想力
- プレゼンテーション力
また、企業側も29歳で未経験採用となると、内定にあたって、以下のような採用条件が提示されるケースもあるため、どこまで受け入れられるか事前に決めておくと良いでしょう。
- 給与が現職よりも下がること
- 一定の残業が可能(場合によっては夜間シフトなど)なこと
- 転勤が可能なこと
年齢が上がるにつれて、キャリア採用重視の傾向が強まり、採用条件が提示される可能性も出てくるため、もし、未経験領域への転職を考えているのであれば、早めの行動をおすすめします。
29歳で転職を考えるデメリット
ここでは、29歳の転職におけるデメリットについて解説します。
慣れ親しんだ職場環境が変わることによって生じるリスクとして、様々なデメリットが考えられます。デメリットとして解説する内容を認識して、取りうる対策をあらためて確認しましょう。
安定性が失われる
29歳で社会人経験5年以上になると、業務をこなすために必要なスキルを身につけ、中核メンバーとして、チームやプロジェクトのマネジメントを任されている人もいるでしょう。
転職することにより、現職で築いてきた以下のような安定性が失われてしまいます。
項目 | 内容 |
スキルセット | 現職で業務を行うために必要なスキルが変わるため、新しいスキルを身につける必要がある。 |
職場の人間関係 | 仕事仲間との人間関係が全てリセットされるため、関係者との関係性を構築する必要がある。 |
給与制度・福利厚生 | 給与面を気にする人は多いですが、福利厚生面は見落としがちです。何気なく利用していたサービスが使えなくなることもあるため、確認が必要。 |
これまでの実績 | 現職で積み上げた経験は転職先でも活かせても、実績は転職先でゼロから積み上げることになる。 |
居心地の良さを捨て、成長を求めて転職しようとしているあなたには、心の準備はできていると思いますが、新しい職場に慣れるまでには期間が必要です。
焦らず一つずつ課題を乗り越えていけば、理想のキャリア形成、キャリアアップに近づき、人脈も広げることにもなり、間違いなく成長します。
大事なことは、経験を活かせる職場選びとマインドセットです。
競争相手が多い
これまでお伝えしているとおり29歳の転職希望者は、20代として転職市場において非常にニーズが高く、実際に転職する人が多いため、採用枠が少ない企業へ応募する場合、競争率がとても高いです。
その結果、なかなか内定がもらえないという可能性があります。
市場ニーズの高い20代の中で、29歳の人は一番に職務経歴が充実しているため、正しくアピールポイントを強調できれば優位に立つことができるでしょう。
転職活動にあたっては履歴書、職務経歴書、採用面接での自己アピールが重要なポイントになるため、アピールポイントを整理して説明できるようにしておきましょう。
競争相手がいることを意識して転職活動を進めることが何より重要です。
29歳転職の成功・失敗のパターン
短期間で2回、3回と同じ失敗を繰り返さないためにも、成功・失敗のパターンを確認し、失敗するパターンと一致している場合には対策をとり、成功パターンに近づけるようにしておきましょう。
成功するパターン
自己分析ができている
29歳転職における成功パターンの1つ目は、自分自身のスキルや適性、キャリアパスなどを客観的に見つめ直す「自己分析」です。
なぜなら、自己分析を行うことで、自己理解が深まるとともに、自分に適した転職先を見つけられ、転職後のキャリアアップの可能性が高まるからです。
まずは、以下のポイントで考えを深め、自分自身が本当に求めていることを明確にしましょう。
- スキルや適性、キャリアパス、興味関心などを考え、自分自身を客観的に見つめ直す。
- 強みや弱みを把握し、それぞれをどう活かすかを考える。
- 理想とする働き方や職場環境を考え、本当に求めることを明確にする。
転職先の業界、企業の分析ができている
29歳転職における成功パターンの2つ目は、自己分析と合わせて、「転職先の業界や企業を分析すること」です。
せっかく、自己分析で自分が求めていることを明確にしても、それを実現できる業界、企業でなければ転職自体があまり意味をなさなくなってしまいます。
転職先の業界や企業を分析するにあたっては業界動向や将来性を把握し、応募企業の評判を調査することが必要です。自力でインターネットなどを活用して調査する方法もありますが、転職エージェントからの情報を活用すると効率的に進めることができます。
転職先の業界や企業を分析し、自己分析と組み合わせることで、自分に合った転職先を見つけ、自己実現や成長するための環境を選択できるようにしましょう。
自己PRが的確に行われている
29歳転職における成功パターンの3つ目は、「自己PRが的確に行えている」ことです。
これまで「自己分析」「転職先の業界・企業分析」を成功パターンとして解説しましたが、3つ目はそれを転職先企業へ正しくアピールすることを意味します。
自己PRを考える時、自分自身の強みやスキルをアピールするだけでなく、新しい転職先でどんな力を発揮し、貢献できるか、企業側にとってのメリットにも目を向けて、より良い自己PRになるように表現することが大事です。
失敗するパターン
転職理由があいまい
転職理由は前職での経歴と密接に関係することが多く、企業は、以下のようなことを判断するために、応募者の転職理由を確認します。
- 応募者の信頼性、経歴の一貫性を評価
- 企業の採用意図とのズレがないこと
- 新しい職場環境への適応力に問題ないこと
採用面接で転職理由の説明があいまいだと、応募者本人の説明力不足を疑われたり、企業側の判断材料不足を招くことになりかねません。
もし応募者と企業の間でミスマッチが起きて内定が決まってしまうと、採用された人だけでなく、採用した企業も目的が達成されず、お互いが不幸になってしまいます。
29歳は30代で転職のハードルが高くなる前に転職したいと考える人が多く、転職理由があいまいなまま、活動を進めてしまいがちです。
また、自分では転職理由が明確だと思っていても、準備不足から採用面接で相手に理解してもらえない説明だと、あいまいと思われてしまいます。
転職理由を考えるときには、これまでの経歴を活かして、実現させたいことを意識して深掘りし、採用面接で説明できるように準備をしましょう。
転職先企業の期待に応え切れない
実際に覚悟を決めて、転職したものの転職先企業の期待に応えられないケースは数多くあ
ります。
企業側も新しい職場に慣れるまでに一定期間を要することは理解しており、焦る必要はありませんが、業務をこなすだけでなく、自己啓発など自ら学びとる姿勢も必要です。
期待に応えられない理由として以下のようなことが考えられます。転職先ではできること、できないことをオープンにして、不足している点を解消していく姿勢で臨むことが重要です。
- 業務内容の理解が追いつかない
- 新しい環境や文化に馴染めない
- コミュニケーション不足や問題解決能力の不足
- 必要スキルの不足
- チームワークやリーダーシップの不足
転職を成功させるためのカギ
転職活動を成功させるために押さえておきたいポイントを説明します。
活動を進めるにあたっては、相応の時間と労力が必要です。少しでも効率よく進め、希望をかなえるためにも確認しておきましょう。
目的を明確にする
これまでに転職における目的が重要なことを解説してきましたが、29歳では『30代でハードルが高くなる前の転職』が転職を考えるきっかけとなり、転職の目的が曖昧なまま、活動を進めてしまう人も多くいます。
目的を明確にすることで、以下のようなことが効果が期待できます。
項目 | 期待効果 |
転職理由を明確にできる | 転職の目的と転職理由は密接に関連しているため、目的が明確になれば転職理由も明確になります。 |
自分に合った職種や業界を見つけられる | スキルアップを目的に転職を考えている場合は、自分が身につけたいスキルを経験できる職種や業界を探すことができます。また、業界に特化したエージェントを活用して転職活動を効率的に進められる可能性もあります。 |
転職後のキャリアプランを考えられる | 転職先でどのような経験を積み、スキルを身につけることができるかを明確にし、将来的なキャリアアップの道筋を想定することができます。 |
転職後のモチベーションを維持できる | 転職先で自分がやりたいこと、達成したいことを明確にしておくことで、目標に向かって取り組むことができ、やりがいを感じることができます。 |
29歳になると現職で積んできた経験年数もかなり長く、これまで築き上げてきた経験も貴重なものですので、その経験を不意にしないよう、転職活動を進めるにあたって目的を明確にすることをおすすめします。
アピールポイントを明確にする
社会人経験5年以上になるあなたの経歴を、漫然と時系列に述べるだけでなく、アピールポイントを意識して説明する必要があります。
29歳の転職ではキャリア採用がメインターゲットになるため、企業側も経歴を重視します。アピールポイントについては経歴に加えて、具体的な成果と併せて説明することが効果的です。
- 仕事に有益な難関資格を取得していること
- 営業職では営業成績が上位だったこと
- 社内の表彰歴
- チームリーダー、組織マネジメントなどのチームや組織としての成果
また、このアピールポイントから応募先企業へどんな価値提供ができるか、さらに深掘りして考えると、説得力のある自己PRが作成できます。
転職支援のエージェントの活用
転職を成功させるためには数多くの気を付ける点があり、転職のノウハウを蓄積したエージェントを活用することは有効な手段と言えます。
エージェントは求人を出す企業とも連携をとり、企業の採用状況・目的を把握しているため、転職活動をしている人の目的が実現できる求人を紹介することができます。
また、自己アピールや業界・企業分析に不安を感じる人は、転職の進め方、職務経歴の表現方法、企業へのアピール方法も相談することが可能です。採用面接のときの説明方法も、面接練習をとおして事前確認することができ、安心して転職活動を進めることができます。
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今回は29歳での転職は遅いのか、もし転職するとなった際に考慮すべきことについて解説いたしました。
29歳での転職となると若い頃に比べてハードルが高いのではないかと感じる方も多いかと思いますが、この記事で解説した内容を意識したうえでしっかりと自己分析をしてキャリアビジョンを立てることで、さらなるキャリアアップにつなげることも可能です!
これまでの経験を活かせる業界でさらなるスキルアップを目指すのか、未経験業界で再チャレンジするのか、
どちらの方が幸せな転職ができるか、についてはぜひ、弊社のキャリアアドバイザーと話して、キャリアビジョンを立てることがおすすめです。
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