近年、SaaS業界は急速に成長しており、多くの方々が転職を考えているのではないでしょうか。
SaaS企業への転職には魅力的な要素がありますが、具体的にはどのような企業が注目されているのでしょうか?また、転職にはどのようなスキルが必要なのでしょうか?
今回はそんな疑問をお持ちの方々に向けて、この記事ではSaaS業界への転職のメリットや注目企業5選、必要なスキルについて解説していきます。
ぜひこの記事を読んでSaaS企業への理解を深め、新たなキャリアの可能性を探ってみてください。
SaaS(Software as a Service)とは何か?
SaaS(Software as a Service)は、ソフトウェアをサービスとして提供するビジネスモデルのことを指します。従来のソフトウェアは、ユーザーが自分でインストールし、メンテナンスやアップデートも自己責任で行う必要がありましたが、SaaSではソフトウェアをインターネット経由で提供し、ユーザーはウェブブラウザを通じて利用します。
また、SaaSは通常、月額または年額のサブスクリプション料金で提供され、利用者は必要な機能や利用規模に応じて柔軟に拡張できます。
このようにSaaSは利便性とコスト効率性を提供し、企業や個人にとって優れたソフトウェアソリューションの選択肢となっています。
SaaS業界の市場規模と将来性
次はSaaS業界の市場規模とは一体どれほどの規模なのか、業界全体の将来性について解説していきます。
SaaS業界の市場規模
SaaS(Software as a Service)業界は、クラウドコンピューティングの進化に伴い急速に成長しています。企業がソフトウェアやアプリケーションをオンライン上で提供することで、ユーザーはインターネットを通じて必要な機能やサービスにアクセスできるようになりました。
SaaS業界は、企業のデジタル化とビジネスの効率化の需要を取り込んでいます。企業は従来のオンプレミスのソフトウェアからSaaSモデルに移行することで、インフラのメンテナンスやセキュリティの管理などの負担を軽減し、コストを削減することができます。さらに、SaaSモデルは柔軟性と拡張性に優れており、企業が成長や変化に対応しやすくなっています。
市場の規模も着実に拡大しており、世界的な調査会社であるGartnerによると、2023年のSaaS市場の予測売上高は約1,500億ドルを超えるとされています。特に中小企業を中心に、SaaSの採用が進んでいますが、大企業や公共部門においても導入が進んでいます。
SaaS業界の将来性
SaaS業界の将来性は非常に高く評価されています。以下に、その理由を3つほど挙げます。
持続的な成長
SaaS業界は今後も持続的な成長が見込まれています。DX化やクラウドコンピューティングの普及により、ますます多くの企業がSaaSモデルを採用しています。新たな業界や市場への進出も進んでおり、需要の拡大が期待されています。
イノベーションと競争力
SaaS業界は常にイノベーションに挑戦し、競争力を高めています。新たなテクノロジーやビジネスモデルの開発が進んでおり、顧客ニーズの多様化や市場の変化に対応しています。さらに、AI(人工知能)やビッグデータなどの先端技術の活用も進んでおり、より高度なサービスやパーソナライズされたソリューションの提供が可能になっています。
グローバルな展開
SaaSモデルの特徴であるクラウドベースのサービス提供は、地理的な制約を超えて展開することができます。SaaS企業はグローバルな市場への進出を容易に行い、多様な地域や業界において成長を遂げることができます。特に新興市場や成長著しい産業においては、さらなる拡大が期待されています。
これらの要素からもわかるように、SaaS業界は今後も成長が続く見込みであり、多くの機会が存在しています。SaaS企業への転職を考える際には、市場の動向や将来性を注視し、自身のキャリアに合ったポジションを探求していくことが重要です。
国内の注目すべきSaaS企業5選
ここまでSaaS業界の概要とその市場規模等に関して説明してきましたが、その拡大期にあるSaaS業界のトップを走る会社はどんな会社なのでしょうか?
5社ほどサービス内容と併せてご紹介します。
サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は1997年に設立され、資本金は2021年12月末時点で6億1,300万円、連業員数は969名です。東京や大阪の他にも札幌や仙台、福岡にも事業所を展開しています。
同社が提供するサービスには、中小企業向けのグループウェア「サイボウズOffice」、業務アプリプラットフォーム「Kintone」、届いたメールを複数人で共有できるツール「Mailwise」などがあります。これらのサービスは幅広い業界で導入実績があり、2021年12月期には約110,000社が導入しています。
サイボウズ株式会社の特徴は、業種や規模を問わず多様なターゲットに向けたサービスを提供していることで、民間企業だけでなく官公庁、自治体、病院、学校などでも導入が増えています。
また、同社の給与形態も特筆すべき特徴です。一般的な給与テーブルではなく、「その人の市場価値」に基づいて給与が決められることがあります。全社員の自立を目指し、個々の社員との交渉を通じて給与や働き方が決められます。
働き方改革にも尽力しており、常に柔軟性が求められるSaaS企業を代表するような企業です。
freee株式会社
freee株式会社は佐々木大輔氏によって2012年に設立され、資本金161億603万円を有し、従業員数916人(※2022年6月末時点、連結会社の総数)を抱えています。
同社は中部、関西、九州、京都、広島に支店や営業所を構えています。
freee株式会社は、クラウド会計ソフトの「freee」を提供するSaaS企業です。
近年、働き方改革の影響でフリーランスで働く人が増えており、自身で日々の経理や確定申告を行う必要があるため、その需要は今後も伸び続けると予想されています。また、企業も少ない人材で業務を効率化する必要があるため、freeeの提供するサービスは重要な役割を果たしています。
freee株式会社が提供するサービスには以下のものがあります。
「freee会計」:中小企業の経理業務を効率化するサービス
「freee人事労務」:給与計算や労務管理を大幅に効率化するサービス
「freee申告」:税務申告書作成業務を効率化するサービス
2021年9月末時点で、有料課金事業所数は31万社を超え、クラウド給与計算のシェアは40%、クラウド会計のシェアは55%となっています(Freee株式会社のHPより)。
freee株式会社の特徴として、若い会社でありフラットな社風があります。勤続年数や年齢ではなく、やる気があれば活躍できるチャンスがあります。また、提案した意見を積極的に取り入れてくれたり、考えてくれるため、多くの人がやりがいを感じています。
株式会社ラクス
株式会社ラクスは、2000年に中村崇則氏が設立した企業で、現在の資本金は3億7,837万円です。2022年4月1日時点での従業員数は1,890名で、大阪、東京、名古屋、福岡に展開しています。
株式会社ラクスが手がける主要なサービスは以下の通りです。
・経費精算システム「楽楽精算」
・電子請求書発行システム「楽楽明細」
・販売管理業務システム「楽楽販売」
特に「楽楽精算」は、TVCMでも紹介されており、2022年3月には導入社数が10,000社を突破しました。累計導入社数もNo.1のサービスとなっています。現在はリモートワークを実施する企業も増えており、今後も「楽楽精算」の導入社数が伸びることが期待されています。
「楽楽精算」の導入により、企業の紙の使用量を削減する効果もあります。導入企業における1年間の紙削減効果は年間約93トンに上り、環境にも貢献しています。
株式会社ラクスの特徴として、部署ごとやチームごとに明確な役割が分かれており、チーム全体が一つの目標に向かって協力して取り組む環境が整えられています。このため、組織として効率的に業務を進めることができます。
また、株式会社ラクスでは短い時間で成果を出すことが重視されており、「早く帰ることが当たり前」という全社的な雰囲気があります。残業を良しとしない社風や、男性でも育児休暇を取ることを推奨するなど、職種や性別に関係なく働きやすい環境が整えられています。
タイムリープ株式会社
タイムリープ株式会社は、2019年に設立された東京にあるベンチャー企業で、代表取締役は望月亮輔氏です。会社の資本金は4億3,191万円、現在の従業員数は27名です。
主に遠隔で接客ができるサービスを提供しており、ホテルや不動産会社、ネットカフェなど、接客機会の多い業種に導入されています。現在、労働人口の減少が進んでいる中で、1人の人が複数の場所で接客を行えるというメリットは非常に大きいものです。そのため、今後もさまざまな企業でこのサービスが導入されていくことが予想されます。
タイムリープ株式会社が提供する主なサービスは、「RURA」という遠隔接客サービスです。このサービスでは、以下の2つの方法を通じて提供されています。
システムのみ提供:お店のスタッフがタイムリープのシステムを使用して、チェーン店をまたいで接客を行うサービス
接客代行:タイムリープに所属する遠隔接客ワーカーが、様々な店舗の接客を代わりに行うサービス
タイムリープ株式会社は、まだ設立から間もない企業ですが、その独自のサービスが評価され、2019年には日経クロストレンド編集部により「未来の市場をつくる100社」に選出されました。近年、非接触や非対面の接客に対する需要が高まっていることから、今後の同社の発展が期待されています。
Sansan株式会社
Sansan株式会社は2007年に設立され、寺田親弘氏が代表取締役社長/CEOを務めています。資本金は2022年8月31日時点で64億5,000万円であり、従業員数は1,169名です。同社は東京をはじめ、大阪、名古屋、福岡に支店を構え、京都や札幌などにもラボを設置しています。
主に名刺管理システムを提供しており、導入実績は7,000社以上です。名刺管理システムを運営している企業は数多くありますが、競合他社と比べても優れた精度と機能を持ち、10年連続でシェアNo.1を獲得し、高い評価を受けています。
また、同社のテレビCMは耳に残るフレーズで知名度も高いです。
他にも、クラウド請求書受領サービス「Bill One」も提供しており、テレワーク需要の増加と相まって需要が伸びています。
同社の特徴は、名刺をデータベース化することで顧客情報や社内情報と関連付けることができる点です。これにより、名刺交換の多い営業マンが所属する企業では重宝されており、引き継ぎ漏れが少なくなります。解約率も低く、利用者数の増加が見込まれています。
また、SanSan株式会社は独自の社内制度にも注力しており、異なる業務のメンバーが交流する機会を提供する「Know ME」や在宅勤務制度の「イエーイ」、家事や育児支援の制度「KISS」など、働く環境づくりに取り組んでいます。
時価総額ランキング
この他にも成長著しいSaaS企業や今後成長が期待されているSaaS企業は様々あり、他にどんな企業があるのか気になる方はぜひこちらの時価総額ランキングをご覧ください。
https://www.buffett-code.com/industries/240
SaaS業界への転職のメリット
キャリアの幅が広がる
SaaS業界は技術の進化とともに急速に成長しています。そのため、転職先として選ぶことで、自身のキャリアに大いなる可能性を秘めることができます。成長企業に参加することで、自身も成長し続けることができるでしょう。
クリエイティブな環境で働ける
SaaS企業は常に新しい技術やサービスを開発し、市場に提供しています。そのため、チャレンジ精神を持ち、常にイノベーションを追求する環境があります。自身のアイデアや能力を活かし、新しい価値を生み出すことができるでしょう。
ワークライフバランスが向上する
多くのSaaS企業はフレックスタイム制度やリモートワークなど、柔軟な働き方を導入しています。仕事とプライベートのバランスを取りやすくなるため、ストレスの軽減や時間の有効活用が可能です。自分らしい働き方を実現することができます。
SaaS業界で募集している職種と必要なスキル
SaaS企業ではさまざまな職種が求められています。主要な職種とそれぞれの役割・必要なスキルを紹介します。
SaaS企業ではさまざまな職種が求められており、それぞれの役割と必要なスキルについて詳しく見ていきましょう。
ソフトウェアエンジニア
ソフトウェアエンジニアは、SaaS企業におけるソフトウェアの設計や開発を担当します。彼らはプログラミング言語やフレームワークに精通しており、要件定義からテストまでの開発プロセス全体を担当します。また、問題解決能力やチームでの協力も重要な要素です。
必要なスキル
・プログラミング言語(例:Java、Python、JavaScript)の知識と経験
・ソフトウェア開発における基礎知識(データベース、アルゴリズム、データ構造など)
・フレームワークやツールの理解と利用経験
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、SaaS企業におけるプロジェクトの計画や進行管理を担当します。彼らはプロジェクトの目標達成に向けてメンバーをリードし、スケジュール管理やリソースの配分、コミュニケーションの円滑化などを行います。また、課題解決能力やリーダーシップも重要な要素です。
必要なスキル
・プロジェクトマネジメントの基礎知識と経験
・スケジュール管理やリソースの配分能力
・コミュニケーションスキルとチームビルディング能力
カスタマーサクセスマネージャー
カスタマーサクセスマネージャーは、SaaS企業における顧客との関係構築やサービスの改善を担当します。彼らは顧客とのコミュニケーションを通じてニーズを把握し、サービスの最適化や問題解決に取り組みます。顧客志向や解決能力が求められる職種です。
必要なスキル
・カスタマーサクセスの基礎知識と経験
・コミュニケーションスキルと関係構築能力
・データ分析やレポート作成のスキル
データアナリスト
データアナリストは、SaaS企業におけるデータの分析やレポート作成を担当します。彼らは収集されたデータを分析し、洞察を得てビジネスの意思決定に活用します。統計分析やデータベースの知識、洞察力が必要な職種です。
必要なスキル
・データ分析の基礎知識と経験
・データベースや統計分析ツールの理解と利用経験
・データの可視化やレポート作成のスキル
営業職
営業職は、SaaS企業における製品やサービスの販売を担当します。彼らは顧客との関係構築やニーズの把握、提案や契約の交渉などを行います。営業戦略の立案や新規顧客の開拓も重要な役割です。
必要なスキル
・セールスの基礎知識と経験
・コミュニケーションスキルとプレゼンテーション能力
・営業戦略の立案と実行能力
これらの職種はSaaS業界で非常に需要が高く、成長性のあるキャリアパスを提供しています。自身のスキルセットや興味に合わせて適切な職種を選び、SaaS企業での転職を検討してみてください。
SaaS業界への転職を成功させるには?
まとめるとSaaS企業への転職を成功させるには以下の4つのスキルがあることが好ましいです。
技術・業界知識の習得
SaaS業界では技術の進化が激しいため、最新の技術やトレンドについて常に学習することが重要です。関連する書籍やオンラインコースを利用し、自身の知識を広げましょう。
プロジェクトやポートフォリオの実績づくり
エンジニアの方であれば転職先企業にアピールするためにも、実際のプロジェクトや成果物を持っていることが有利です。個人プロジェクトやボランティア活動などを通じて経験を積んでおいたり、ポートフォリオを作成しておくことをおすすめします。
コミュニケーション能力の向上
SaaS企業ではチームでのコミュニケーションが重要となります。コミュニケーション能力を磨くために、積極的に意見を述べる練習やプレゼンテーションの経験を積んでおくことが役立ちます。
キャリアチェンジへの意欲と自己成長意識
SaaS業界は競争が激しい分野ですが、その中で成長し続けるためには意欲と自己成長意識が必要です。常に学び続け、自身のスキルや知識を向上させる努力を怠らないようにしましょう。
2つ目にご紹介したポートフォリオなどの実績作りは、エンジニア志望の方以外は難しいかもしれませんが3つ目のコミュニケーション能力はエンジニア志望の方でも営業職志望の方でも必須のスキルと言えるので、普段から聞き手のリアクションに注目したり、ちょっとした時間にチームメンバーに話しかけてみるなどの努力をしておきましょう。
まとめ
SaaS業界は急成長している分野であり、転職を考えている人にとって魅力的な選択肢となります。今回はそんなSaaS業界において注目されている企業やSaaS企業への転職を成功させるために必要なスキルなどについて解説しました。
SaaS業界には成長著しいキャリアの可能性やイノベーションの機会、ワークライフバランスの向上など、多くのメリットがあります。そういった働くうえでもメリットの多いSaaS業界への転職を成功させるためには技術・業界知識の習得や実績づくり、コミュニケーション能力の向上が重要です。
SaaS業界への転職に興味がある方は、これらのポイントを意識しながら自身のキャリアを築いていきましょう。
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